飛行機の轟きが
きっかり45度の角度を付けて
微風と共に
窓から飛び込んできた
その音をかき消すように
雀が一斉に鳴き出した
トラックの走行音が
遠くに尾を引いた
被るように
古い自転車は
金属音を撒き散らし
近所の子どもは
引きつって泣き止まず
梅雨の合間
18時40分の地上は
天に透明に青く映る
窓を開ることが許される時間は
残り僅か
明日は国防色の雨に
街は占領されるのだ
飛行機の轟きが
きっかり45度の角度を付けて
微風と共に
窓から飛び込んできた
その音をかき消すように
雀が一斉に鳴き出した
トラックの走行音が
遠くに尾を引いた
被るように
古い自転車は
金属音を撒き散らし
近所の子どもは
引きつって泣き止まず
梅雨の合間
18時40分の地上は
天に透明に青く映る
窓を開ることが許される時間は
残り僅か
明日は国防色の雨に
街は占領されるのだ
いつの頃からかは憶えてはいないが
水の中にいるような音がして
いつの頃からかは憶えてはいないが
小川の流れる音に耳をすまし
いつの頃からかは憶えてはいないが
小川が遊歩道なんていう名に変わり
背丈が大人と同じくらいになった頃
水仕事をするようになって
大人になると
水の音に気を留める暇もなく
働いて働いて働いて
店先に並ぶペットボトルの水の束
自由に飛び跳ねるには
グラスの中では狭かろうに
彼のお店では
日用品とは正反対のモノを売っています
それはあってもなくても
どちらでもいいモノで
それはそれは輝いているモノなのだそうですが
ヒトによっては
あればあるで訝しみ
なければないで血相を変えて
戸棚の中をひっくり返してしまいます
時々、数にして年に5回ほど
戸棚の中では高い青空が飛び跳ねては驚かせ
また、時として戸棚の中では
50年前の白黒写真を栞のように隠して
整列した活字の行間に挟んでいるのです
彼のお店のモノは
おカネだけでは買えません
モノの原料となる日用品を添えてください
例えば
誰をも悩ませる恋の話とか
消えてしまえと念じているのでしょう
都合の悪いことを
でも
念じれば念じるほどに
あなたの影は半分薄くなり
あなたの身体の裏側に茂る
低木の輪郭線が
明日にでも透けて
鮮明に見えてしまいそう
だから
あなたは慌てて
衣服を纏おうとしたのですが
どうしたことか
着衣の方法を学んだことがなかった
愚鈍な妻は
あなたには見向きもせず
一日中床に座り込んでは
古ぼけた銀の匙で掬った
蜂蜜を舐めている
どの口が言った
あの口がゆうた
どの口が言った
あの知事の口
どの口が言った
あの官僚の口
どの口が言った
あの議員の口
どの口が言った
あの大臣の口
どの口が言った
あの首相の口
どの口が言った
あの大根と
その大根と
この大根の口
もう一回言ってみろ
幼稚園児よりも
台詞覚えが悪いとは
舞台の袖では氷点下
雲という雲は散らばり
稜線は幾重にも集まり
光は水面だけを輝かせ
水は流れに逆らわず
花は音もなく開き
大地には
果てない陰が伸びている
さあ
猫を探して
一番小さい猫を
純白の猫
尻尾は長いが
誰にも触らせたことがない
足跡さえ残さない
猫を探して
あなたの内側に居る猫を
夜明け前
カーテンの向こうに星座の傾きを確かめて
朝に
キッチンの窓辺のクレソンの水を交換し
午前中は
お洗濯と合間に読書
お昼時には
クッキーを啄ばみ
午後には
ネットでお買い物
お昼寝の後は
おめかししてお出かけ
今日一日の出来事と
あさってと
5年後の話をするために
こんばんは
こんばんは
夕陽に見惚れていましたら
今夜も10分遅れました