12/17/2016

2016ねん12がつ



いもうとがだいじにしてるテディベア
ママがだいじにしてるかぞえきれないがぞう
パパがだいじにしてるおさけがはいったたかそうなビン
ぼくがだいじにしてるロケットのプラモデル

ぼくがわかるのはこれぐらい
あとは
なにを
しんじて
いいのか
わからない



























10/14/2016

外側




外側を歩くんだ
それは
土星のリングの
いちばん外側だったり
ビルの屋上の
あのエッジが効いた
直線ラインだったり

見てごらん
真ん中に陣取ってる彼らを

波打ち際に
近づく魚だけが
砂漠の触感を知っている
























8/21/2016

表裏



標的に当てればメダルが貰える
標的に当たれば
その下に子どもが埋もれてる

全力で走ればメダルが貰える
全力で走れ
爆薬を避けなくては

遠くに飛ばせばメダルが貰える
遠くまで飛んで行く
家のない渡り鳥

速く泳げばメダルが貰える
速くも遅くも泳げない
小さい小さい
黒い靴





















4/22/2016

ピザの対価



いつも引くのは
貧乏くじで
それでもなんとか生きてきた
雑草扱いは
毎日のように
日陰の寒さにも慣れた
それでもなんとか生きてきた
月の満ち欠けに
溜め息をつき
雑踏に紛れ込んだ
何かを蹴飛ばしたくもなったが
蹴飛ばすものが無かった
新しい靴を買おう
私は
まだ歩かねばならない

家と仕事を同時に失った時があった
暫くして
財布の中には小銭以外見つからなかった
幼い娘が「ピザが食べたい」と言った
着物を売って
大きなピザを買った

まだ私たちは
確かに生きている




















3/31/2016

八重の桜



成長が遅い八重の桜
いつまで待っても
背が伸びず
大木の桜の下で
人々は上を見上げて
見上げて
見上げて
新緑が誇らしく
顔をのぞかせる頃
桜の花など皆
遠い昔の写真になった頃
八重の花は
静かに
たわわに
花開く

見始めは寒桜
見頃はソメイヨシノ
見納めは八重桜
酔人を知らぬ八重の桜
見上げるのは
子どもたち























1/18/2016











シャルリー・エブド
私はあの漫画を表現の自由だとは認めない。
これは死ぬまで。
そして死んでからも。