12/01/2017



今朝、師走の曇天の下で白と黒のブチ猫が私の前を横切って行った。猫は大人でもなければ子どもでもない大きさで、ひょろっとしていた。野良特有の小走りする姿は近所では見たことが無い柄だ。毛並みが艶々と滑らかに流れていたので、咄嗟にこの猫は宇宙から来たのか過去か来たのか、もしくは異次元辺りから迷い込んだ猫だと思った。猫は走り去ると他所様の庭奥深く入り込んでやがてその姿は見えなくなった。ほんの2秒程度の出来事で、野良猫に出くわすなど珍しくもなんとも無い出来事ではあったが、その猫とは会うべくして会ったように、数枚の写真に残るかの如く脳裏に焼き付いてしまった。猫が急いで探していたのは未来への入口、もしくは現世からの出口なのだろう。その猫の後をついて行きたかったが、冷たい風が自転車で走る私の目元を切るので、滲む涙を拭わなければならなかった。人差し指の先が鈍く光った。































12012017