8/27/2023

炎が天で

 

自分の部屋は自分の歴史

本の表紙に付いた滲も

日に焼けたカーテンも

柱の擦り減った角も

それは全て自分の歴史

思い出はいつか古ぼけて

いずれ美しく輝いてほしいと

願っても

残るのは砂粒ひとつ

その砂粒を共有しようと

人はまた今日も

誰かと連れ立っては旅に出る


風は見ていた

でも風の言葉は

我々には通じない

海は徐々に腐り

山は悲鳴を上げて疲れ果て

炎が天で

上機嫌で

歌ってる























08272023