10/18/2018

京都



「美味しいですよ」と強く弾むアクセントで話しかける
おばあさんの身長は150センチにも満たない
ショッピングカーを引きながら
下り坂をゆっくりとした足取りで歩く

「おおきに」とのったり話すおかみさん
お出汁の香りが立ち込めるうどん屋
満席なのになぜか時間が止まったようで
白い三角巾を被る家柄じゃない品の良さ

「お茶どうぞ」と小さくもしっかりとした声
ガラスに囲われた中から動きが早いおかあさん
八ッ橋は銀閣寺の側で板の下鉄板の上
何回その角度のお辞儀をしたのだろう

「おばあちゃんがゆうてはりましたわ」と笑う
伏見の煎餅屋の二代目の奥さん
息子さんが後を継いで煎餅を焼いていると話す
自慢の狐のお面の包み紙は真っ赤っか
自慢の狐のお面の包み紙は真っ赤っか





























20181018