5/19/2013

政治家Hの政治生命を賭けた遊説




「有権者のみなさん、『男らしい』とか『男の中の男』とか、あれは僕のことです。男は男としてのプライドがありますから、今言ったみたいな言葉に、直ぐに反応するんです。『男のプライド』を持って生きることは、僕のライフワークそのものなんです。男は強さで男の質が決まるのではありませんか。そしてその強さとは、何に対してでも絶対であります。強く、もっと強くは男のプライドを維持する必修条件です。先日もアメリカ人フェミニストのおばはんがキーキー喋り捲るから、うるさいって殴ってやりました。亜、僕の前々職の法律関係者としての経験から、素手で殴って怪我でもして訴えられると面倒ですから、手袋で殴りましたよ。女なんて所詮、男の道具なんです。道具が僕に逆らうなんて言語道断であります。そして数日前の真夏のような暑さの日、アイスクリームだなと某コンビニに駆け込みましたら、僕の好きなソフトクリームタイプのアイスが丁度ひとつ残ってましてね、ああよかったと手を伸ばそうとした時、小学校低学年ぐらいの坊主が先にアイスを握りしめたんです。僕はここぞとばかりに『男の強さ』をその坊主に見せつけてやろうと、坊主の手からアイスを奪い取ってやりました。勝つか負けるか、強さを測る二極論を、体験を通じてその子供に教えました。学校教育は男のプライドを叩き込む素晴らしい行政機関でありますが、いまお話ししましたように、『男の強さ』を教えるには、日頃のあらゆる場面を活用し得ることを実践したのであります。またある時は、彼女の部屋に遊びに行った時のことですが、彼女が家族だと言いきるオス猫が、僕に牙をむいて近づいてきたものですから、その猫をコンクリートの壁めがけて投げつけてやったんです。猫は軽い脳震盪でふらつき鼻血流しまして、彼女は只々黙って小刻みに震えながら涙ぐんでいました。疑う余地もなく、彼女は僕の強さに感動したのです。そしてある時は、僕が道を歩いていると一匹の蟻が僕の前をのうのうと横切って行くではありませんか。蟻の分際で僕の前を横切るとはなんたる無礼者、と僕はその蟻を踏み潰してやりました。男は強さで、攻撃力で男の質が決まります。僕は強い。有権者のみなさん、僕の『男のプライド』を掛けた時期参院選では、僕が共同代表を務める我が党の立候補者に、みなさんの清き一票を.........」





このお話はフィクションです。実在する人物とは一切関係ありません。たとえ特定の政治家がイメージされたとしても。



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