6/26/2015

小鳥



私の小鳥は
翼を縮めて
たどたどしく
曇り空へ飛んで行った
その雲を越えると
コバルトの空があると信じて
遠浅の三つの海の波音を突き抜けて
五つの雪山を仰いだ
嘴に白ツメクサの花を咥えていたら
口の中に茎だけが残った
私の小鳥は小鳥になって
枝の上で
今は
卵を温めている
私は小鳥を失った
私は長い旅に出た




















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